角膜にも癌は出来ます。
通常眼球の腫瘍は角膜の周りに出来るのですが、この癌は角膜の真ん中に出来ました。
非常にめずらしい癌です。
シェルティー、ダックスフントに多く、角膜表層の点状の潰瘍を形成します。
この病変は痛み、眼瞼痙攣、流涙症、結膜充血、表層性角膜血管新生を伴います。
出来るだけ初期に病気を診断し、治療します。
生涯にわたり治療が必要となります。
5~6歳以降になると水晶体の中心部が青白く見えることがあります。
これを核硬化症と呼んでいます。この病気により、視力の低下は起こっても、視覚を失うことないので動物では白内障と区別して考えます。
老齢の動物で『だんだん目が白くなったね』と言われるものの多くは核硬化症の可能性があります。
点眼やサプリメントで進行を遅らせることが出来る可能性があります。
この犬の右眼には眼球内にシリコン製のボールが入っています。
視覚を失い痛みのある目や、眼球の温存が難しい目にはこの手術が適用になります。
眼球も動かすことが出来るため遠目で見ればまったくわかりません。
以前は、このような目に対して眼球摘出を行っていましたが、今は眼球内シリコンインプラント挿入術を行います。
この手術の方が飼い主さんの術後の満足度が高いようです。